世の中にまだまだ数少ないと思いますが、高齢者を専門に傾聴し高齢者の生活・人生を豊かにすることを目的として活動している人がいます。高齢者傾聴スペシャリストとはどのような活動をしているのかについてご紹介します。
親を預けたくなる老人ホーム【LIFULL介護】- 傾聴とは
- 高齢者の現状
- 傾聴で何をすべきか
- 傾聴の心構え
- 傾聴する際の雰囲気作り
- 傾聴の方法(あいづち)
- 傾聴の方法(繰り返し)
- 傾聴の方法(質問する)
- 傾聴の方法(サインを読む)
- 傾聴の方法(高齢者傾聴のポイント)
- 傾聴の方法(回想法)
傾聴とは
まず傾聴とはという事からですが、耳と目と心を使って、相手の気持ちに寄り添いながら話を聞くことです。漢字を見て頂いても「聞く」ではなく「聴く」の方の漢字になります。傾聴には最初の挨拶から、座る場所、座る位置、話し方、口調、話のスピード、目線の読み方、相手の表情の読み方、うなずき方、リフレーム、話の広げ方など、様々なテクニックを駆使しながら相手に寄り添い相手の心を開かせ、悩みや要求を聞き出します。
高齢者の現状
現在日本では団塊世代の方々が75歳を迎えられています。それもあり日本の全人口1億2617万人のうち65歳以上が3,589万人(高齢化率28.4%)となっています。なんと3割に近い人口ですね。たまに平日のバスなどに乗ると乗車しているのは私以外「高齢者だけ」等と言う光景も珍しくありません。75歳以上は1,849万人でそのうち男性が729万人、女性が1,120万人という内訳です。さらにその中でもお一人暮らしをされている方は年々増加しています。
内閣府より資料引用
傾聴でなにをすべきか
このように高齢化、独居老人が増加する中、高齢者傾聴スペシャリストがなにをすべきなのでしょうか?目的としては単にお話相手、寂しさを解消するだけではなく「心のケア」をします。お一人で過ごされて外出もあまりされず、買い物と病院に行くぐらいで他人との会話が極端に少ない。また、ご子息様との連絡もひと月に一回電話がある程度、会えるのは年に1~2回程度とこちらも多くはありません。それでもお一人で抱えられている生活の不安などはあります。それらのお悩みをお聞きし自らの答えを導き出します。そのように寄り添ってくれる存在は何よりも替えがたい存在となるわけです。傾聴がもたらす大きな効果は「心のケア」です。
傾聴の心構え
高齢者の方々は私達同様お一人お一人みなさん考え方も感じ方も異なります。ですので「個人」を尊重し理解する事が求められます。「自分」というフィルターを外して望まなければなりません。自分というフィルターを通してしまうとついつい自分の意見を言ってしまいます。傾聴はあくまで聴く事に徹する必要があります。言いたい気持ちを抑えるのは思っている以上に大変な事です。相手の気持ちと自分の気持は分けて聴かなければなりません。また自分の気持ちを抑えられないと相手が話している途中でさえぎって自分の言いたいことを言ってしまうようなことも起きてしまいます。傾聴で大事なのは最後まで相手の話を聴く事です。この方は自分の考え方とは違うな〜と思っても最後まで聴き、意見してはいけません。ましてや自分が感情的になってしまうようでは相手からの信頼は失ってしまいます。相手に気持ちよく話して頂くことが大切です。
傾聴する際の雰囲気作り
高齢者といえども初対面のときには緊張や相手に対して警戒するものです。どんな人なんだろう?と一歩引いて接してくるでしょう。そんな時に相手の緊張を少しでもほぐしリラックスして頂く必要があります。例えば傾聴する場所ですが、相手が周りに遠慮せずに話が出来るようにご自宅で行うのがベストですし、施設などでお話する場合もご自分のお部屋や談話室などがあればそちらでも良いでしょう。いざお話を始める際に座る位置にも気を付けましょう。向かい合ってお話するのも悪くはありませんが、私達でも初対面だったりすると正面で向かい合っていると緊張しますよね。なので90度直角に座るのが良いとされています。正面だと常に視線を気にしてしまいますが90度だと目線を合わせたい時に合わせることが出来ます。傾聴を何度か重ねて関係性が出来ているようであれば正面でも良いかもしれません。
傾聴の手法(あいづち)
お話をお聞きするときには、「あいづち」をスキルとして効果的に使います。このあいづちが意識的に効果的にできれば相手は「私の話をちゃんと聴いてくれているな」という安心感が生まれます。安心していただければもっと話したいと言う気持ちになり会話が弾んできます。あいづちというと首を使って頭を上下させる「うなづき」を思い浮かべる方が多いでしょうか?あいづちにも種類があって、体で行うあいづち:うなづき、身振り、手振り、まばたき、ほほえみ、言葉で行うあいづち:「なるほど」「そうなんですね」「ええ」「確かに」と、2種類に分けられます。これらのあいづちを駆使して会話を盛り上げて行きます。この時の注意点としては、「気持ちが入っていない単調なあいづち」をしないことです。相手は「この人は私の話を適当に聞ているな」と感じ取られかえって逆効果になるからです。相手の話の内容やペースに合わせて自然なあいづちが大切です。
傾聴の手法(繰り返し)
あいづちと同様効果的なのは「繰り返し」です。繰り返しとは言葉の通りなのですが、相手の話した言葉をそのままの言葉で返す手法です。「あなたの話をしっかり聴いていますよ」という姿勢が相手に伝わります。具体的には、
相手「最近は腰の具合が悪くてね〜」自分「〇〇さんは最近腰の具合が悪いんですね〜」
相手「そうなのお風呂に入る時に変な姿勢で入っちゃったみたいで」
自分「そうなんですか〜お風呂に入った時に痛めてしまったんですね〜」
他愛もない会話ですが、このように繰り返すわけです。この繰り返しには他にも効果があります。それは相手が話した内容の「要点」を繰り返すことです。要点を繰り返すことによって認識のズレが無くなります。また、相手が自分が言いたかったことの再確認が出来ます。相手がネガティブな発言をさせても繰り返しを行うと、「自分の感情が受け止められた」と感じ気持ちが落ち着きます。
傾聴の手法(質問する)
傾聴は基本的に聞くことに徹しますが、相手に気持ちよく話して頂くことを目的として質問することも手法の一つです。話を広げる、話を深堀する為です。傾聴の手法として2つの種類の質問を使い分けます。質問に2つの種類って何?
自分「〇〇さんは洋菓子と和菓子どちらがお好きですか?」
相手「和菓子のほうが好きだね〜」
一見問題ない質問だと思うかもしれませんがこちらは2択で答えやすい質問ですね。
自分「最近、気になることはありますか?」
相手「そうだね〜気になることといったら〇〇が〇〇で〇〇なことかね〜」今度は2択ではなく御自身で考えてお話されていますね。前者を「閉じた質問」後者を「開いた質問」と言います。閉じた質問は答えやすいという特徴があり相手に負担を与えない質問です。開いた質問は話し相手の自由度が高い質問です。どちらも相手に思う存分話して頂くのが目的なので正解・不正解はありません。答えやすい閉じた質問で会話を引き出しつつ慣れたところで、開いた質問を織り交ぜていくのも良いかもしれません。
傾聴の手法(サインを読む)
傾聴を行っている際、相手の言動から相手が「私の話を理解してくれていないのではないか?」と感じる時又は不満を表す時に出すサインがあります。そのサインというのは、「でも〜」「だって〜」「どうせ〜」「〜だから」といった言葉です。そのようなサインが出たときには不満を表しているのでその後の会話に注意が必要です。また、話の前置きにサインがある場合があります。
「たいした話じゃないんだけどね…。」
「たいしたことではないのだけれど…。」という前置きから話を切り出す時があります。「たいした話ではない」というのが何故サインなの?と思われるでしょうか?このたいした話ではないと前置きするのはこれから話そうとする内容がくだらないことだと思われてしまうかもしれない、笑われてしまうかもれない、といった照れくさや不安が隠れている可能性が高いからです。最初に自分からたいした話ではないとハードルを下げて笑われてもいいように心の準備をしていると考えられます。でも実はそれが本当の悩みであったり不安であったりするのです。表情や仕草にもサインはあります。視線ですが、相手がほとんどこちらを見てくれない場合は、聞き手に興味関心が無いと考えられます。仕草は、視線を落として髪の毛を触る、手元の湯呑などをいじくり回しているなども同じことが考えられます。何がストレスになっているのか、今までの会話を振り返って推察する必要があるかもしれません。
傾聴の手法(高齢者傾聴のポイント)
高齢期になると耳や目が悪くなり新しいことを理解するのにも時間がかかります。そのような事を前提に配慮が必要です。1,はっきり、ゆっくり話す
今の若い方は特に早口で私達でも聞き取りづらいですよね。ましてや高齢者となると私達以上に聞こえません。聞こえないので「え?なんだって?」と聞き返さなければならずそれもストレスになります。言葉ははっきりとゆっくりと話すよう心掛けましょう。
2,声のトーンに気をつける
お年寄りは高いトーンの声が聞こえづらくなります。お話をする時は低いトーンで大事な部分は強調するようにしましょう。3,目線の高さ、表情や身振りをつける
相手が座っていたら自分も座り、立っていたら自分も立って傾聴しましょう。目線を合わせることで、相手の目の動きによる情報や表情から見て取れる情報も入りやすくなります。こちらも表情や身振りを使って「受け止めてくれている」という安心感を与えましょう。
傾聴の手法(回想法)
私自身も父の介護の際に経験しましたが、過去の同じ話を何度もする様になります。その時の話の聞き方として「回想法」が役立ちます。回想法とは高齢者に過去の話を回想して話してもらい聞き手が受容的に聞くことで相手の心に働きかけるという心理療法です。高齢者の心の安定を図る、脳の活性化を促す、人生の満足感が高まる、対人関係の進展を促すなど、様々な効果があります。
1,テーマを設定する
相手が話しやすいように・幼少期〜子供の頃の話・生まれ育った田舎の話・ご両親の話・学生時代の話・職場での話・昔の映画や流行った歌など予めテーマを設定してお話をお聞きするのが「回想法」です。基本的には相手から進んで話してもらうことが理想ですが、会話が途切れてしまった時などには有効です。
2,小道具を使う
相手の回想の推進、刺激を与える手段として利用します。かるた、ベーゴマ、メンコ、お手玉、あやとり、など当時遊んでいたであろう昔の玩具などを使うと懐かしがって楽しくお話をしてくれることでしょう。
3,回想を聴く時の注意点
高齢者の特徴として同じ話を繰り返す場合が多々あります。その都度「その話は前にも聞きましたよ」などと遮ってはいけません。ぐっとこらえて毎回初めて聞くようなリアクションで答えてあげましょう。また、相手にとって過去の思い出はかけがえのないものです。どんな内容であれ否定するような発言は絶対にしないようにしましょう。
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この記事を書いた人
傾聴スペシャリストヒロキ(東京都在住 1965年生まれ)
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親御様に訪問又はお電話にて傾聴サービスを行います。
活き活きと生活して頂く為のお手伝いをします。
父の介護経験(認知症・糖尿病)から、独居で孤独な高齢者の存在を知りお役に立ちたいと思い高齢者様に対する傾聴サービスを始めました。役所に登録した高齢者様との傾聴ボランティア訪問員も行っています。お話しをお聞きする以外にも私に出来る事であれば対応させて頂きます。お気軽にご相談下さい。
資格:高齢者傾聴スペシャリスト
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